フリーランスのお金管理と仕事道具

フリーで働く士業の雑記です。

自己啓発セミナーに行ったら保険の営業マンだらけだった話

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私はよくセミナーに行きます。

自分の知識が商品なので、仕入れのために専門分野だとか集客のセミナーに行くのですが、先日、初めて自己啓発セミナーに行ってきました。

 

自己啓発セミナーにはどんな人がいたのか

セミナーは平日開催だったので、普通の会社員はほとんどいなくて、中小企業の経営者や私のようなフリーランスが中心でした。

中でも特に多かったのが保険の営業マンの方々です。

もちろん大手生保の正社員ではなく、収入のほとんどが出来高のフリーで働く営業マンの方々でした。

 

なぜ保険の営業マンが多いのか

自己啓発セミナーに参加する人の多くが、大きな悩みを抱えていました。

セミナーが進むと、セミナー参加者間での自己開示が始まるのですが、話を聞いていくと、皆さん悩みが深いんですよ。お金がないとか、夫婦関係が最悪だとか、人に言いにくいようなコンプレックスを抱えているとか。

 私のように特に悩みのない人間は完全に浮きます。セミナーの最中に感極まって泣く人とかいましたからね。

 話を戻して、なぜ保険営業マンの参加者が多いかというと、それだけ悩みを抱えている人が多くいて、でもって、何が悩みかというとシンプルに保険が売れないということではないでしょうか。

 

保険ビジネスの将来性

これは私見ですが、保険ビジネスってこれからどんどんオワコンになっていくと思うんです。ライフネット生命も大苦戦中ですし。

なぜなら今どき保険よりも有利な投資先がいくらでもあるからです。

フリーランスの立場から言えば、保険なんて入っている場合ではないです。掛け捨てならまだわかりますよ。私も入っていますし。

しかし、貯蓄性の保険を選ぶ理由が全くありません。老後への貯蓄がしたいなら、私の中での序列はだいたいこれぐらいのイメージです。

確定拠出年金>小規模企業共済>>>NISA>>>>>>>>>>>保険

 

なんでわざわざ保険なんて入るんだろうってレベルです。

でもって、それは別に私だけの話ではなく、みんなそう思っているわけです。

ネット社会ですからね。ネットを見れば保険が不利な商品だってすぐにわかるわけで。なんせ買った時点で多額の手数料を差し引かれるわけですから。

最近だと、投資漫画のインベスターZの16巻でも、保険がこき下ろされていましたね。

 

保険を買ってくれそうな人

じゃあ、どういう人に保険が売れるかというと、お金が有り余っていて、相続税対策でちょっと入ってもいいかなという富裕層、もしくは保険が有利だと信じている情報弱者、いわゆる情弱ぐらいではないでしょうか。

 当然のことながら、保険を買ってくれる富裕層を見つけることは簡単ではなく、いたとしてもすでに保険の営業マンが付いているはずです。

一方の情弱の方々も、みんな賢くなってきていて、数がどんどん少なくなっている状況なわけです。

 

そもそもの目標設定が間違っていないか

そんな悩める営業マンたちに、自己啓発セミナーはこう語りかけます。

明確な目標設定!

燃え上がるような願望!

夢は強く思い描けば必ず実現する!と。

 

そりゃあ、たしかに保険営業マンの中でも、ごく一握りの天才は、年収1億とか稼いでいるんでしょう。しかし、全体の母集団からしたらものすごくわずか。それこそ、年収1000万円も稼げずにほとんどの人が脱落する厳しい世界です。

 

それなのに、自分だけは例外だと、ごく一握りの天才だと信じて、「保険で年収1億!」とかをセミナーで宣言しちゃうわけです。

別に自分の才能を信じること自体は悪いことではありません。むしろ成功するには必須でしょう。また本当に才能がある可能性だって十分にあります。

 

しかし、私がいいたいのは、

そもそもの目標設定が間違ってない?

単にお金が稼ぎたいという目標だったら、保険じゃなくてもっと楽に稼げる仕事で勝負した方がいいんじゃない?ってことです。

 

私は職業柄、いろんな会社や仕事を見ています。でもって、身にしみてわかっていることは、選んだ会社なり、仕事なりによって給料が全然違うということです。

1000万円を楽に稼げる仕事もあれば、1000万円稼ぐのに死ぬほどの努力が必要な仕事もあります。でもって、保険営業マンは確実に後者でしょう。

 

江戸時代じゃないんだから、好きな仕事を選べないいんですよ。

とはいえ、さすがにセミナーで同じテーブルに座った保険営業マンの方に、「もっと楽に稼げる仕事とか、自分に向いている仕事を探したほうがいいよ。」とは言いませんでした。

おおきなお世話だと思われるだろうし、自分で気づかないと全く意味がないので。

 

高額セミナーを売り込む手順

さて、自己啓発セミナーでは、当然のごとく次のさらなる高額セミナーへの勧誘が行われます。

人は感情で動く!と言われますが、感情を揺さぶり、買わせるための手順が震えるほど鮮やかです。

 

まず、セミナーでは夜遅くまで拘束されます。ワークもたくさんあって、ヘロヘロになります。肉体的にも精神的にも疲れさせることで、判断力を奪います。

 

次に、即断!即決!即実行!と何度も唱和させます。

即断即決即実行こそが成功者にとって最大の資質だと。そして、いままで決断を先延ばしにしてきたこと、だからお前は駄目なんだと責められます。外から見れば完全に危ない人たちです。

 

ひとしきり責められた後、ようやく次の高額セミナー(20万円以上)への勧誘がはじまります。これは人気セミナーであること、参加できる人数が非常に限られていること、すでに◯月分まで埋まっていること。今すぐ申し込まないと参加できないこと。

つまり即断即決即実行がさっそく試されるのです。

 

その結果、休憩時間になった途端、たいしてお金のない保険営業マン(失礼)が行列を作って申し込みをします。

 

自己啓発セミナーで唯一ドン引きしたこと

ここまではいいでしょう。売り込みも立派な仕事だし、そのこと自体を批判するつもりは毛頭ありません。

 ただし、そんな素晴らしいセミナーでも、どうしようもなくドン引きした出来事がありました。

それは、お金がない保険営業マンに対して、ローンを組ませて高額セミナーを売っていたことです。

 

自分の意志で買っているんだから自己責任だろう、という意見はごもっともです。

しかし、セミナーを販売するまでの手順はかなり巧妙です。なにせ相手は、人の感情の揺さぶることのプロですから。

 

これだけ揺さぶりをかけられても、私と同じテーブルにいた若手の保険営業マンは申込みにいきませんでした。なぜかと聞くと、すでにこの会社からたくさん買い物をしていると。しかもローンで。ここでさらに20万円以上もするセミナーをローンで申し込んでいいものかと迷っていました。

 

このときばかりは、さすがの私も全力で止めました。とにかく止めとけと。

人はお金がないと正常な判断はできない!自分がお金ないのにお客さんのために尽くそうなんて思えないでしょう!と。

 

まずは1回家に持ち帰ろう

自己啓発セミナーって、参加しているときのテンションのあがり具合が尋常じゃないんですよ。3日間なら3日間、最高のモチベーションでいられるわけです。

でも、セミナーが終わった次の日からは日常に戻ります。日常に戻れば、モチベーションもいずれもとに戻ります。

でも、ローンだけは1年とか2年とか確実に残るわけです。

 

セミナーで払った金額以上の売上を上げてペイできれば、まったく問題ありません。

でも、その人は保険の営業マンなわけです。しかもほぼ新卒だったので頼れる人脈もほとんどないわけです。

自己啓発セミナーが見込み客を目の前に連れてきてくれはずもなく、どんなにひいき目に見ても、ペイするとは思えませんでした。

 

もちろん、私も申し込むかは相当迷いましたよ。セミナー会場にいるときの気持ちの高まりようは異常ですから。

でも結論を言うと申し込んでいません。

私はその場ですぐに決断するのではなく、いったん日常生活に戻って頭を冷やすことにしました。日常に戻って、それでもなお必要だと思えば、申し込めばいいのです。

 

でもって、私は、同じ20万円のお金を使うならThinkPadの新しいノートパソコンが欲しいってなったわけです。まぁ、そこは何に満足するかの違いなので。

 

とにかく、即断即決即実行が常に正しいわけではないのです。

 

誤解のないようにお伝えしますがセミナーの内容自体は素晴らしかった!

もう一度言います。セミナーは素晴らしかった!

特に、普段ビジネス書の類を一切読まないような人にとっては、感動的ですらあると思います。泣いている人までいましたから。

 

とはいえ、費用対効果はしっかり考えましょう。

たとえば、セミナーの内容は、ビジネス書の名著である「7つの習慣」、「思考は現実化する」とほぼ同じことを言っています。

 

なので、これらの本を読み込む根気のある方、また、読んで実行に移せる方であれば、セミナーに行く金銭的、時間的負担の方が大きく感じるかもしれません。

 

私はビジネス書が好きですが、読み込むまでの根性はないので、目新しい話はないものの、あらたな気付きはたくさんありました。

なので、機会があればまた行くと思います。

 

ただし、くり返しになりますが、お金のない人にローン組ませてまで高額セミナーを売り込むのは違うんじゃないの?って思っちゃうんですよね。

「どんな相手にも売り込むのが商売人として当然の姿勢だ!」と言われればそれまでだし、「お前は甘すぎる!だからお前は駄目なんだ!」と言われればそれもそのとおりでごもっとでございます。

 

なので、その会社のビジネス自体は全く否定するつもりはないですよ。実際セミナーは素晴らしいし。実際、自己啓発セミナーは洗脳みたいなところもありますが、良い洗脳なら受けてもいいと思いますし。

 

自己啓発セミナーに対する期待値を上げすぎないように

フリーランスはセミナーに行くよりもまずは仕事しましょう。

仕事から得られる経験の方がセミナーよりもずっと多くのことを得られます。仕事から得られない知識や経験を補完するのがセミナーぐらいに思っておくべきです。

 

とにもかくにも自己啓発セミナーに対する期待値を上げすぎるのは厳禁です。セミナーがきっかけで成功する人も確かにいるとは思いますが、成功する人はセミナーがなくても成功する資質を持っている可能性が高いです。

 

このセミナーに行けば、俺の人生を変えることができる!

なんて意気込んでしまうと、それこそセミナー主催者の養分になるだけなので、くれぐれもご注意ください。

自己啓発はほどほどに。